2012年6月1日金曜日

偽隠居やまねの寝言 201204


忠盛が死んで、第一部が終わった。わずか四ヶ月たらずで三十人以上がキャラ立ちしているし、保元に向けて摂関家内、源氏内の対立の伏線が張られている。肝心の後白河vs崇徳院はまだこれから。平家における清盛のポジションも定まった。ここまでは、主人公がライバルたちと接戦を演じながら成長していくパターンではなかった。脇役を引き立てるために主役が落とされているのかと勘ぐりたくなるような演出が散見されたが、保元あたりから主役アゲのために脇役を不当にだめにするような展開にするのはやめてほしい。昨年期待したほどの政治劇はまだ見られない。同じ日曜に見ている『紺碧の艦隊』では、ぞくぞくするような謀略台詞が聞けるだけに、美福門院がたまにあれこれつぶやくだけでは物足りない。「○○がない」� �とを褒めるのはあれかもしれないが、「戦は嫌じゃ」的ナヨゴロー武士が出てこないだけでも近年ではありがたい部類の大河である。

自宅に白拍子を呼んで、自作の歌に合わせた舞を楽しむ忠通。
「わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの ……」
ここで為義の手勢が乱入したため、つづく「雲居にまがふ 沖つ白波」はおあずけに。
為義は忠実の命令どおり、藤原摂関家の氏の長者のあかしである朱器台盤を強奪。
この手の家宝を見せてくれるところは、『太平記』もおよばぬおもしろさだと思う。

ほくそえむ忠実と頼長の背後でにたにたする為義が悲しい。
どーせ、十分なねぎらいの言葉もかけてもらえなかったであろう。

最近デフォルトで不機嫌な東国の覇王が吠える。
「父上のしたことは、ただの盗賊と同じでござります」
実況では「おまいが言うな!」の嵐だったにちがいないが、義朝は自分の意志で源氏の利益のために
人の領地や館をぶんどってきたので、摂関家のいいように扱われている父親が歯がゆいのだ。

鳥羽院御所で。
そのうちお前を刑部卿にしてやる、と餌をちらつかせる鳥羽院� �
とりあえず、清盛の安芸守就任は決定済みのようす。
家成の「あとひと息ですよ」は、先週の忠盛の「あとひと息じゃ」を受けているのだろう。
あれから忠盛の意識は変わっているので、単純に喜べない。

廊下ですれ違う忠盛と為義。
ここで経済的に恵まれた平家と差をつけられた源氏について説明しているのだけど、
わかってね皆さん。
殿上闇討ち事件のさい、平家と源氏、どちらが強いか、その勝負は朝廷に対し
じゅうぶんな力をつけてからでいいのでは?という忠盛の言葉を
為義が覚えていたなんて!!
忠盛が忘れていたなんて!! 源氏などとっくに眼中にないってことですね。